折句三昧

土地を讃め 神を讃め よすがしるべの 折句うた

東京都

龍を呑む河童の淵やぼんやりと

山手線 田端駅 田端文士村 往時を偲ぶ 文士下駄 埋み上がれば清め沙汰 室を去りなんあくた掃くとて 073. ぶんしげた うずみあがれば きよめざた むろをさりなん あくたはくとて 文士下駄 埋み上がれば清め沙汰 室を去りなん芥掃くとて ぶんしげ た うずみあ…

柳沢吉保は古今集を庭巧む

山手線 駒込駅 六義園 由緒を偲び言祝く 古今集まねびて植うる御用人めづるつつじのよしやすなわち 072. こきんしゅう まねびてううる ごようにん めづるつつじの よしやすなわち 古今集学びて植うる御用人愛づる躑躅の由や即ち こ きんしゅう ま ねびてうう…

ばばさまの暦をもどす詣で道

豊島区巣鴨 地蔵通り 言祝く 飲みおろすおみかげ札が霊験もおよばぬ皺とてへよすくよかに 071. のみおろす おみかげふだが れいげんも およばぬしわとて へよすくよかに 飲み下ろす御影札が霊験も及ばぬ皺とて経よ健よかに のみおろ す おみかげふだ が れい…

八犬伝 ことば遊び

文京区大塚(旧武蔵国豊島郡大塚) 八犬伝 劇中人に戯る 戍孝がおきてたつかは思はまじ月夜しとうて刈る畑田とも 070. もりたかが おきてたつかは おもはまじ つきよしとうて かるはただとも 戍孝がおきて手束はおも浜路つき義任しとうてかるは忠与 もりたか…

四十六回目の終棲家

山手線 池袋駅 立教大学 旧江戸川乱歩邸 言祝く 露悪なる蔵をひらきし文傑のけれん看取りて家はのこれり 069. ろあくなる くらをひらきし ぶんけつの けれんみとりて いえはのこれり フル漢字 ろ あくなる く らをひらきし ぶ んけつの け れんみとりて い …

真っ赤な嘘の血を洗い

豊島区 目白 学習院 血洗いの池 言祝きて戯れる 武庸もかしこきかたには寄らざらめ つては大あじ知濯うて語ろ 068. たけつねも かしこきかたには よらざらめ つてはおおあじ ちあろうてかたろ 武庸も畏き方には寄らざらめ 伝手は大味 知濯うて語ろ たけつね…

何もかも見られていた

東京都 中央区 月島 月読さまに奉る 佃橋ゆ きしかた仰げばまどかなる月読ひとつわけしりにます 067. つくだばしゆ きしかたあおげば まどかなる つくよみひとつ わけしりにます 佃橋ゆ 来し/岸 方仰げば円かなる月読一つ訳知りに坐す つ くだばしゆ きし か…

「ただいま」にまさる祝辞のあるべきか

山手線 新大久保駅 2001年1月26日 悼み祷る 親なくも負うがためしとおかれども悔やみきれずや母堂の悲嘆 066. しんなくも おうがためしと おかれども くやみきれずや ぼどうのひたん 親無くも負うが験しと置かれども悔やみきれずや母堂の悲嘆 しん なくも お…

三指にもれぬ酉の市

新宿総鎮守 花園神社 言祝く 熊手咲く人まぶく見ゆ宵の辻 奉納提灯おごりて明かし 065. くまでさく ひとまぶくみゆ よいのつじ ほうのうちょうちん おごりてあかし フル漢字 くまでさ く ひとまぶくみ ゆ よいのつ じ ほうのうちょうち ん おごりてあか し …

かつて予備校の代名詞

代々木駅 後生を言祝く 聖誕雪ふるをなげかば樅あおぎ そりて思えよ春日の栄誉 064. せいたんせつ ふるをなげかば もみあおぎ そりておもえよ はるひのえいよ 聖誕 雪/節 降る/古る を嘆かば樅仰ぎ 反りて思えよ春日の栄誉 せいたんせつ ふるをなげかば もみ…

初詣賑わう明治神宮

山手線 原宿駅 明治神宮 かしこみ言祝く つごもりは暮れて夜すがらにぎしつじ人むれと見ゆひととせの幕 063. つごもりは くれてよすがら にぎしつじ ひとむれとみゆ ひととせのまく 晦日は暮れて夜すがら賑し辻人群れと見ゆ一年の幕 つごもり は くれてよす…

待ち人よらしむ秋田のハチ公

山手線 渋谷駅 ハチ公 偲び言祝く 偲ばれし人の名をよぶよもあるや彼岸いりてし秋たつはちこう 062. しのばれし ひとのなをよぶ よもあるや ひがんいりてし あきたつはちこう 偲ばれし人の名を呼ぶ 夜/世 も在るや彼岸入りてし秋 立つ/田つ は近う/ハチ公 し…

烏帽子親は恵比寿麦酒

恵比寿 えびすさま 蛭子さま 街を言祝き蛭子さまに奉る 艶麦の美酒が烏帽子をすなるまち 笑みしいざなう宵こ昼こと 061. えんばくの びしゅがえぼしを すなるまち えみしいざなう よいこひること 艶麦の美酒が烏帽子をすなる街 笑みし誘う宵来昼来と え んば…

坂を開きて死を賜る

山手線 目黒駅 権之助坂 説話 中目黒村名主 菅沼権之助を偲び、坂を言祝く 人がため苦役やわらぐ緩勾路ひらきとどむる名主の功徳 060. ひとがため くえきやわらぐ かんこうろ ひらきとどむる なぬしのくどく 人が為苦役和らぐ緩勾路開き留むる名主の功徳 ひ…

皇后さまのねむの庭

山手線 五反田駅 ねむの木の庭 かしこみ言祝く ねむ花児匂えばあなたやすらがんせめてひと枝おくらまほしを 059. ねむはなご におえばあなた やすらがん せめてひとえだ おくらまほしを 合歓花児匂えば彼方安らがんせめて一枝贈らまほしを ねむはな ご にお…

目黒川の水難さけて丘にます

大崎鎮守 居木神社 由緒を言祝く 丘はらにおわすやしろのさきがけは雉子ノ宮とそゆるぎ橋に聞く 058. おかはらに おわすやしろの さきがけは きじのみやとそ ゆるぎばしにきく 丘腹に御座す社の魁は雉子ノ宮とそ居木橋に聞く お かはらに お わすやしろの さ…

尾ひれづく助太刀の安兵衛

江戸郊外戸塚村 高田馬場の決闘 堀部武庸(堀部安兵衛)を偲び「たかたのばば」を言祝く 武庸が加勢つかえし太刀しごと のばしつたうる晩は歳暮 「たか『だ』のばば」を言祝く 武庸が加勢つかえし伊達すがた のばしつたうる晩は歳暮 057. たけつねが かせい…

逢いたいと燃やす情けが身を焦がし

東京都史跡 鈴ヶ森刑場 土地に言祝き刑死者に祷る 逢瀬なす火はままならず恋の性 八百屋お七も身を焼かれたり 055. おうせなす ひはままならず こいのさが やおやおしちも みをやかれたり 逢瀬為す火は儘ならず恋の性 八百屋お七も身を焼かれたり おうせな …

東京四景

四様に折れば四様の景色 第一景 とうきょうスカイツリー(旧業平橋)駅に業平を偲ぶ 時千歳うてば東夷もきなれしか詠み名とどめしうつりかぶれど 第二景 羽田空港を言祝く うみどりのよく飛びたつか旗手たてて打てば羽だつ渡界のつばさよ 第三景 東京タワー…

けやき並木の八幡太郎

府中 大国魂神社参道 大国主さまにかしこみ義家公を偲ぶ 鬨にぎし馬場参道 来てまみゆよき日よき地 祈うもののふ 035. ときにぎし うまばさんどう きてまみゆ よきひよきつち うけうもののふ 鬨賑し馬場参道 来て見ゆ 善き日善き地 祈う武士 と きにぎ し う…

江戸を引き継ぐ国つ都

江戸 東京 言祝く 徳川の移りこしより今日日までよくも栄ゆるうるわし国都よ 034. とくがわの うつりこしより きょうびまで よくもさかゆる うるわしこくとよ 徳川の移り来しより今日日までよくも栄ゆる麗し国都よ と くがわの う つりこしより き ょうびま…

大久保卿の謀りごと

東京 縁起 由緒を偲び、「東京」を著書に顕した佐藤信淵翁、江戸改称を建言した大久保利通卿を言祝く 時に文政謳いし思家の記する名を由と纏える美し都よ 033. ときにぶんせい うたいししかの きするなを よしとまとえる うましみやこよ 時に文政謳いし思家…

高井戸宿は遠かりき

内藤新宿 縁起 祖を偲び言祝く 道とおくわずらいおぼゆ甲州路 民のせいがん駅とひらけし 031. みちとおく わずらいおぼゆ こうしゅうじ たみのせいがん えきとひらけし 道遠く煩い覚ゆ甲州路 民の請願 駅と開けし みちとお く わずらいおぼ ゆ こうしゅう じ…

江戸城の鬼門を守る神やしろ

平成27年 神田明神遷座400年にことよせて 一乃宮 大己貴さま 二乃宮 少彦名さまを言祝く おさめ鉾おきて語らひなすきずな結び紐とく地を国となす 三乃宮 平将門さまを言祝く 国が獅子美鬣いさおな牙貌なり爪は捕り方鉤は狩り方 大己貴さまの説話を言祝く 陸…

ふるさとは親の情けとおぼえけり

日本国 首都 東京 世の親と子を思う 時うれば憂き世ふりすて郷里へとよらせたまえと姥はねがえど 023. ときうれば うきよふりすて きょうりへと よらせたまえと うばはねがえど 時得れば憂き世振り捨て郷里へと寄らせ給えと姥は願えど と きうれば う きよふ…

お玉ヶ池に身を捧ぐ

総武線 秋葉原駅 岩本町 お玉ヶ池種痘所 往時を偲び後世を言祝く 姉が池 奇患克する白眉たち万禍ふみこす蘭学のすえ 022. あねがいけ きかんこくする はくびたち ばんかふみこす らんがくのすえ 姉が池 奇患克する白眉立ち万禍踏み越す蘭学の末 あ ねがいけ …

気好しの雛は血をつなぎ

山手線 鶯谷駅 根岸の古庵を偲ぶ 歌うたう人も召しあぐ肺やまい雛ほととぎす馴れぬあいだに 021. うたうたう ひともめしあぐ はいやまい ひなほととぎす なれぬあいだに 歌詠う人も召し上ぐ肺病 雛 杜鵑 / 不如帰 / 子規 馴れぬ間に うたうた う ひともめし…

飛ぶ鳥おとす狩り手の鑑

寝台特急 はやぶさ 東京-西鹿児島 名によせて猛禽を言祝く 飛び来ざま討ちし鉤あし禽夜叉児 黄泉おくりしか穿ちほふるに 018. とびきざま うちしかぎあし きんやしゃご よみおくりしか うがちほふるに 飛び来様討ちし鉤足禽夜叉児 黄泉送りしか穿ち屠るに …

北斎の描きもらし

寝台特急 富士 東京-西鹿児島 名によせて名峰を言祝く 参らせと衆生いざなう御粧雪 四海にはえよ日本の威峰 017. まいらせと しゅじょういざなう ごしょうゆき しかいにはえよ にほんのいほう 参らせと衆生誘う御粧雪 四海に映 / 栄えよ日本の威峰 ま いら…

逃げ馬はケヤキの糧と果てにけり

府中 東京競馬場 言祝く 伏しおる知謀が駒も行き初むか馬影かくるる欅のむこう 012. ふくしおる ちぼうがこまも ゆきそむか うまかげかくるる けやきのむこう 伏し居る知謀が駒も行き初むか馬影隠るる欅の向こう ふ くしおる ち ぼうがこまも ゆ きそむか う…