折句三昧

土地を讃め 神を讃め よすがしるべの 折句うた

炭鉱詠み

国端の炭都をつなぐ複線路

平成筑豊鉄道 伊田線 直方-田川伊田 往時を偲ぶ のたのたりおがむ彦山川あおみ隊伍むすびて炭車は添うらし 374. のたのたり おがむひこさん がわあおみ たいごむすびて たんしゃはそうらし のたのたり拝む彦山川青み隊伍結びて炭車は添うらし の た のたり …

浮かぶは太助のつらがまえ

直方 遠賀川 川筋気質 先つ兄らを偲ぶ 川筋のたまのおは先駆けの鯉 遠賀に逆えてのぼり龍らし 360. かわすじの たまのおはさき がけのこい おかにさかえて のぼりたつらし 川筋の玉の緒は先駆けの鯉 遠賀に逆えて/栄えて登り立つ/昇り龍らし かわすじの た …

会議所の鳴る音を百とせ逆巻けば響くは怒号か豪笑か

直方 石炭記念館(旧筑豊石炭鉱業組合直方会議所) 炭鉱王らを偲ぶ 胸三寸 飲めば事成し顔にみる太助の魄のこもりあらぬかも 353. むねさんずん のめばことなし がおにみる たすけのはくの こもりあらぬかも 胸三寸 飲めば事成し顔に見る太助の魄の籠り在ら…

うずのはしらの月読さまもけぶたかろ

田川市 石炭記念公園 炭坑節 言祝く やぐら裾に輪なす着付けの柄もつむ炭坑節や月も見るらし 300. やぐらすそに わなすきつけの がらもつむ たんこうぶしや つきもみるらし 櫓裾に輪為す着付けの柄も集む炭坑節や月も見るらし やぐらすそに わ なすきつけの …

棄て石の燻りは絶えて草化粧

筑豊本線 飯塚駅 筑豊富士(旧住友忠隈炭鉱ボタ山) 言祝く 汽車路のいきかいに見えいづる峰に父母ただ隈なく思ほゆ 292. きしゃみちの いきかいにみえ いづるみねに かそいろはただ くまなくおもほゆ 汽車路の行き交いに見え出づる峰に父母只隈無く思ほゆ …

中つ国にのこされし アルコふたかまのひとつ

筑豊本線 小竹駅 小竹町民グラウンド 保存機 アルコ23号 偲び慰む 黒衣づく炭鉱線は煙とたえアルコのひとつ寂びしおかるる 288. こくいづく たんこうせんは けむとたえ あるこのひとつ さびしおかるる 黒衣付く炭鉱線は煙と絶えアルコの一つ寂びし/錆し置か…

貝島太助 立志のはじめ 大之浦炭鉱は宮田にあり

筑豊本線 勝野駅 旧宮田線起点駅 わずかに遺る遺構に偲ぶ 貝島の束石さして延ばしたる宮田の橋のひとつ晒りおり 287. かいじまの つかいしさして のばしたる みやだのはしの ひとつさりおり 貝島の束石指して延ばしたる宮田の橋の一つ晒り居り か いじまの …

ディーゼルのねぐら 今は商業施設ならぶ

筑豊本線 新入駅 旧直方気動車区 往時を偲ぶ めぐらせしヤマの支線に縁を結う気動車あまた夜を憩いけり 285. めぐらせし やまのしせんに えにをゆう きどうしゃあまた よをいこいけり 巡らせしヤマの支線に縁を結う気動車数多夜を憩いけり めぐらせ し やま…

享年四十七 大正八年生まれの貨物支線

筑豊本線 鞍手駅 旧小牧信号場-筑前中山 貨物支線 往時を偲ぶ ヤマたちて汽車もかたわら駆くと聞く中山の日は遠ちに暮れ果て 282. やまたちて きしゃもかたわら かくときく なかやまのひは おちにくれはて ヤマ立ちて汽車も傍ら駆くと聞く中山の日は遠ちに…

真黒の山 わたつみのそなえもの

北九州市 若松港 往時を偲ぶ 九十九づく真黒のたまをかきつめばわたのはらさし澪そしばたつ 273. つくもづく まくろのたまを かきつめば わたのはらさし みおそしばたつ 九十九付く真黒の珠を掻き集めば海原指し澪そ暫立つ つ くもづく ま くろのたまを か …

わだちのこすは筑前のみ 豊前は通わず

筑豊本線 若松-原田 言祝く 渡らゆる貨車に祀るは真黒なる艶ぶる生肌 祝かゆる木骸 272. わたらゆる かしゃにまつるは まくろなる つやぶるきはだ ほかゆるこむくろ 渡らゆる貨車に祀るは真黒なる艶振る生肌 祝かゆる木骸 わ たらゆる か しゃにまつる は …

昭和四十三年 大辻炭鉱 閉山

国鉄香月線 終点 香月駅 偲ぶ 貨車群をつれて野面さし汽車はゆく古き宿場のわきをかすめて 260. かしゃむらを つれてのぶさし きしゃはゆく ふるきしゅくばの わきをかすめて 貨車群を連れて野面差し汽車は行く古き宿場の脇を掠めて か しゃむらを つ れての…

新手本坑 昭和二十九年 閉山

国鉄香月線 新手駅 偲ぶ あたらヤマの落莫知るや鉄軌にもわだち絶ゆれば錆しかりけり 258. あたらやまの らくばくしるや てっきにも わだちたゆれば さびしかりけり 可惜ヤマの落莫知るや鉄軌にも轍絶ゆれば錆しかりけり あ たらやまの ら くばくしるや て …

帝国鉄道庁九州線 中間-香月 明治四十一年七月一日開業

国鉄香月線 中間-香月 昭和六十年四月一日廃止 偲ぶ 長津野は化石の洲にまみえしか西つ東つヤマの溢れき 256. ながつのは かせきのしまに まみえしか にしつひがしつ やまのあふれき 長津野は化石の洲に見えしか西つ東つヤマの溢れき な がつのは か せきの…

よすがを隠した住宅街

筑豊電鉄 東中間電停 新手五坑(扇浦炭鉱) 偲ぶ 陽が落ちて閉まりしヤマのなごりなき家居ならびたる町に陽が射し 156. ひがおちて しまりしやまの なごりなき かきょならびたる まちにひがさし 陽が落ちて閉まりしヤマの名残り無き家居並びたる町に陽が射し…

ひらたひしめく堀川水運

筑豊電鉄 筑豊中間電停 堀川 川ひらた 往時を偲ぶ 地をくだり黒き宝を堀川の海路さす舟かましひらたよ 155. ちをくだり くろきたからを ほりかわの うなじさすふね かましひらたよ 地を降り黒き宝を堀川の海路さす舟囂しひらたよ ち をくだり く ろきたから…

人の築きし筑豊富士

飯塚 旧住友忠隈炭鉱ボタ山 筑豊富士に祖を偲び言祝く 煤まとい母らがふるいわけばいづボタをつむ丘富士とそびゆる 048. すすまとい ははらがふるい わけばいづ ぼたをつむおか ふじとそびゆる 煤纏い母らが振るい分けば出づボタを積む丘富士と聳ゆる すすま…

太助太吉に敬一郎 炭鉱王のにらみあい

直方 石炭記念館(旧筑豊石炭鉱業組合直方会議所) 往時を偲ぶ 閑をみた組合普請が今もなお過ぎし栄華の匂いを伝う 016. ひまをみた くみあいぶしんが いまもなお すぎしえいがの においをつたう 閑を見た組合普請が今も尚過ぎし栄華の匂いを伝う ひまをみ …

産炭地に紫山あり

中間 香月 椋枝 大辻炭鉱ボタ山 遺跡に祖を偲ぶ 嵩立つは土にあらずと聞きし山 草に埋もるか父祖がいさお名 011. かさだつは つちにあらずと ききしやま くさにうもるか ふそがいさおな 嵩立つは土にあらずと聞きし山 草に埋もるか父祖が功名 か さだつは つ…

むかし駅前に坑夫ありけり

直方 中ノ島 坑夫の像 往時を偲び 今を寂しむ 野に侘ぶる男いさまし頑とたつ 大恃なりせば街にそおかまし 006. のにわぶる おとこいさまし がんとたつ たいじなりせば まちにそおかまし 野に侘ぶる男勇まし頑と立つ大恃なりせば街にそ置かまし の にわぶる …

わたつみの裾も煤めく炭の濃さ

筑豊本線 若松駅 往時を偲ぶ わたつみは火車ゆきかいて真黒なる塚をそなえし日をおぼゆるか 004. わたつみは かしゃゆきかいて まくろなる つかをそなえし ひをおぼゆるか 海神は火車行き交いて真黒なる塚を供えし日を覚ゆるか わ たつみは か しゃゆきかい…