折句三昧

土地を讃め 神を讃め よすがしるべの 折句うた

筑豊本線

昔めくたたずまい 趣向こらする車寄せも ついに姿をほどかれたり

筑豊本線 直方駅 旧駅舎 偲ぶ 明治の血 湛えたる屋がまえゆり祖の手しのぶ乗り合い御殿 363. めいじのち たたえたるおく がまえゆり おやのてしのぶ のりあいみあらか 明治の血 湛えたる屋構えゆり祖の手偲ぶ乗り合い御殿 めいじのち た たえたるおく が ま…

寿像あつらう黒田支藩の表玄関

筑豊本線 直方駅 新駅舎 言祝く おのこみの頑健ひとつ湛わしくかいなひらきて往来に立つ 362. おのこみの がんけんひとつ たたわしく かいなひらきて おうらいにたつ 男身の頑健一つ湛わしく腕開きて往来に立つ おの こみの が んけんひとつ た たわしく か…

尻を頭に機を回す

筑豊本線 原田駅 機回し線 往時を偲ぶ 歩廊ゆりしばしのあいだながめつる橙機関車はすげかわるらし 298. ほろうゆり しばしのあいだ ながめつる だいきかんしゃは すげかわるらし 歩廊ゆり暫しの間眺めつる橙機関車はすげかわるらし ほろうゆり しばしのあい…

送電鉄塔ならびたつ里は宿場町

筑豊本線 筑前山家駅 冷水隧道 言祝く 駅宿の幕間をゆく闇六里 喘下緑なす筑紫里原 297. えきしゅくの まくあいをゆく やみろくり ぜんかろくなす ちくしさとばら 駅宿の幕間を行く闇六里 喘下緑なす筑紫里原 え きしゅくの ま くあいをゆく や みろくり ぜ…

汽車呑めばあぎとに垂るる冷し水

筑豊本線 筑前内野駅 冷水峠 言祝く 馳駆したる漸駈の火車のうめきまし頂破なさむと祈ます冷水 296. ちくしたる ぜんくのかしゃの うめきまし ちょうはなさむと のますひやみず 馳駆したる漸駈の火車の呻きまし頂破なさむと祈ます冷水 ちく したる ぜん くの…

街道わきの句々迺智さま

筑豊本線 上穂波駅 阿恵 老松神社 言祝く 道ゆきを長みあえげばほいやりと御垣にのぞく木祖神さまかも 295. みちゆきを ながみあえげば ほいやりと みかきにのぞく きのおやさまかも 道行きを長み喘げばほいやりと御垣に覗く木祖神様かも み ちゆきを な が…

いにしえの寿命大夫の色好み

筑豊本線 桂川駅 王塚古墳 言祝く 泉下にも色い五つなる化粧塚 つかさ隠れの遠つ比良坂 294. せんかにも いろいいつなる けわいづか つかさがくれの とおつひらさか 泉下にも色い五つなる化粧塚 丘隠れの遠つ比良坂 せん かにも い ろいいつなる け わいづか…

源満仲、海賊純友と対峙する

筑豊本線 天道駅 天道神社 由緒を言祝く 多田つ祖は賊を討ちてん加護なれと伏してあがまうむちのひるめを 293. ただつおやは ぞくをうちてん かごなれと ふしてあがまう むちのひるめを 多田つ祖は賊を討ちてん加護なれと伏して崇まう貴の日霊を ただつおや…

棄て石の燻りは絶えて草化粧

筑豊本線 飯塚駅 筑豊富士(旧住友忠隈炭鉱ボタ山) 言祝く 汽車路のいきかいに見えいづる峰に父母ただ隈なく思ほゆ 292. きしゃみちの いきかいにみえ いづるみねに かそいろはただ くまなくおもほゆ 汽車路の行き交いに見え出づる峰に父母只隈無く思ほゆ …

花冷えてわらしやさかる櫨の山

筑豊本線 新飯塚駅 勝盛公園 言祝く いつし世も勝盛に筒井筒つれ率てくるすえよ神慈あれかし 291. いつしよも かつもりにつつ いづつつれ いてくるすえよ しんじあれかし 何時し世も勝盛に筒井筒連れ率て来る末よ神慈有れかし いつしよも か つもりにつつ い…

太賀吉翁のささげもの

筑豊本線 浦田駅 旌忠公園 忠霊塔 悼む 國がため斃れし兄御の礼塔をうたてみ高雄の花そ色こき 290. くにがため たおれしあにごの らいとうを うたてみたかおの はなそいろこき 國が為斃れし兄御の礼塔をうたてみ高雄の花そ色濃き くにがため た おれしあにご…

へその子を半身にかくす夏越し舞

筑豊本線 鯰田駅 皇祖神社 夏越しの獅子舞 言祝く 夏越しの祭りの舞はずしやかにたのしかるらし皇母子も 289. なごししの まつりのまいは ずしやかに たのしかるらし すめらははこも 夏越しの祭りの舞はずしやかに楽しかるらし皇母子も な ごししの ま つり…

中つ国にのこされし アルコふたかまのひとつ

筑豊本線 小竹駅 小竹町民グラウンド 保存機 アルコ23号 偲び慰む 黒衣づく炭鉱線は煙とたえアルコのひとつ寂びしおかるる 288. こくいづく たんこうせんは けむとたえ あるこのひとつ さびしおかるる 黒衣付く炭鉱線は煙と絶えアルコの一つ寂びし/錆し置か…

貝島太助 立志のはじめ 大之浦炭鉱は宮田にあり

筑豊本線 勝野駅 旧宮田線起点駅 わずかに遺る遺構に偲ぶ 貝島の束石さして延ばしたる宮田の橋のひとつ晒りおり 287. かいじまの つかいしさして のばしたる みやだのはしの ひとつさりおり 貝島の束石指して延ばしたる宮田の橋の一つ晒り居り か いじまの …

ヤマの鉄路の蒸機御殿

筑豊本線 直方駅 旧直方機関区 往時を偲ぶ のぞみてはおおしき火車の伽藍よりたなびくけむもにおう遠ちかも 286. のぞみては おおしきかしゃの がらんより たなびくけむも におうおちかも 望みては雄々しき火車の伽藍より棚引く煙も匂う遠ちかも の ぞみては…

ディーゼルのねぐら 今は商業施設ならぶ

筑豊本線 新入駅 旧直方気動車区 往時を偲ぶ めぐらせしヤマの支線に縁を結う気動車あまた夜を憩いけり 285. めぐらせし やまのしせんに えにをゆう きどうしゃあまた よをいこいけり 巡らせしヤマの支線に縁を結う気動車数多夜を憩いけり めぐらせ し やま…

小碓命 熊襲たける筑紫洲に陣をしく

筑豊本線 筑前植木駅 御山神社 地名の由緒を言祝く 築陣の前途の武功謳われし帰営の皇子の生うすとうらし 283. ちくじんの ぜんとのぶこう うたわれし きえいのみこの おうすとうらし 築陣の前途の武功謳われし帰営の皇子の生うすとうらし ちく じんの ぜん …

享年四十七 大正八年生まれの貨物支線

筑豊本線 鞍手駅 旧小牧信号場-筑前中山 貨物支線 往時を偲ぶ ヤマたちて汽車もかたわら駆くと聞く中山の日は遠ちに暮れ果て 282. やまたちて きしゃもかたわら かくときく なかやまのひは おちにくれはて ヤマ立ちて汽車も傍ら駆くと聞く中山の日は遠ちに…

いにしえの遠賀潟 すめら船わけいりたる

筑豊本線 筑前垣生駅 垣生公園 埴生神社 言祝く 詣でみちかっぱも斎く神し御前うてば八幡 花のほころぶ 281. もうでみち かっぱもいつく かみしごぜ うてばはちまん はなのほころぶ 詣で道 河童も斎く神し御前打てば八幡 花の綻ぶ もうでみ ち かっぱもいつ …

二十四年か四十一年か いずれにせよ明治の架設

筑豊本線 中間駅 遠賀川橋梁 言祝く 長津辺の嵩つむ煉瓦にまみゆれば明治の汗は黒く染み沁み 280. ながつへの かさつむれんがに まみゆれば めいじのあせは くろくしみじみ 長津辺の嵩積む煉瓦に見ゆれば明治の汗は黒く染み沁み な がつへの か さつむれんが…

堀川になれなかった川辺に殉職工を慰む石仏

筑豊本線 東水巻駅 羅漢川 石仏 言祝く 引く堀が枝路をたどれば見えし出ず団居ときなきとぶらい羅漢 279. ひくほりが しろをたどれば みえしいず まといときなき とぶらいらかん 引く堀が枝路を辿れば見えし出ず団居時無き弔い羅漢 ひ くほり が し ろをたど…

大八洲 立体交差の濫觴は筑前国にあり

筑豊本線 折尾駅 過ぎし日を偲ぶ 屋を駆く立体交差のおはしらの籬下の壁画そおかしやかなる 278. おくをかく りったいこうさの おはしらの りかのへきがそ おかしやかなる 屋を駆く立体交差の御柱の籬下の壁画そおかしやかなる お くをかく り ったいこうさ…

縁をむすぶは小碓命か蒲冠者か

筑豊本線 本城駅 八剣神社 由緒を言祝く 鋒先の陣しく武夫の由ありて産土ましますはるけき熱田ゆ 277. ほうせんの じんしくぶふの よしありて うぶすなまします はるけきあつたゆ 鋒先の陣敷く武夫の由在りて産土坐します遥けき熱田ゆ ほ うせんの じん しく…

后は嘆声 熊鰐は冷や汗

筑豊本線 二島駅 江川 魚鳥池 往古を偲ぶ 干る潮の祟れば熊鰐の神供なす まかなし鳥よ魚よつどわな 276. ふるしおの たたればわにの じんぐなす まかなしとりよ さかなよつどわな 干る潮の祟れば熊鰐の神供なす まかなし鳥よ魚よ集わな ふ るしおの た たれ…

舟券やぶれば千々に舞う 夢と日銭のなれのはて

筑豊本線 奥洞海駅 若松競艇場 言祝く 一艇のカウルも跳ぬる轟きよ くきのみなもにおびそ白起つ 275. いっていの かうるもはぬる どどめきよ くきのみなもに おびそしらだつ 一艇のカウルも跳ぬる轟きよ 洞の水面に帯そ白起つ い っていの かう るもはぬる …

おもてにはくきの海 かえりみてはさくら花

筑豊本線 藤ノ木駅 白山神社 赤島町西公園 言祝く 菊理とうのののひめごも地の花をふりみる丘か西つ赤島 274. きくりとう のののひめごも じのはなを ふりみるおかか にしつあかしま 菊理とうののの媛御も地の花を振り見る丘か西つ赤島 き くりとう の のの…

わだちのこすは筑前のみ 豊前は通わず

筑豊本線 若松-原田 言祝く 渡らゆる貨車に祀るは真黒なる艶ぶる生肌 祝かゆる木骸 272. わたらゆる かしゃにまつるは まくろなる つやぶるきはだ ほかゆるこむくろ 渡らゆる貨車に祀るは真黒なる艶振る生肌 祝かゆる木骸 わ たらゆる か しゃにまつる は …

冷水峠なじみの寝台特急

寝台特急あかつき3号 筑豊本線 桂川-原田 往時を偲ぶ 橙汽車は瑠璃の朝焼け馳せまとい清けき川瀬轟と渡らん 020. だいきしゃは るりのあさやけ はせまとい さやけきかわせ ごうとわたらん 橙汽車は瑠璃の朝焼け馳せ纏い清けき川瀬轟と渡らん だ いきしゃは …

わたつみの裾も煤めく炭の濃さ

筑豊本線 若松駅 往時を偲ぶ わたつみは火車ゆきかいて真黒なる塚をそなえし日をおぼゆるか 004. わたつみは かしゃゆきかいて まくろなる つかをそなえし ひをおぼゆるか 海神は火車行き交いて真黒なる塚を供えし日を覚ゆるか わ たつみは か しゃゆきかい…