折句三昧

土地を讃め 神を讃め よすがしるべの 折句うた

水の緒のたづきも知らぬ遠つ海ゆ 行幸たまわる蛭そ祀らな

兵庫県西宮市 えびす宮総本社 西宮神社 蛭児大神に奉る 鳴尾海に身をしがらみし蛭神の縁をゆかしみ傾ぐ三連家 394. なるおみに みをしがらみし ひるがみの えにをゆかしみ かしぐみつらや 鳴尾海に身を柵みし蛭神の縁をゆかしみ傾ぐ三連家 なるおみ に みを…

日の神の御子を祀りし日子の山 験も灼たに英彦と発す

豊前国 英彦山神宮 天之忍穂耳に奉る 天照らす比売のいとしむ子のつかさ讃ずる御名そおしほみみなる 393. あまてらす ひめのいとしむ このつかさ さんずるみなそ おしほみみなる 天照らす比売の愛しむ子の長讃ずる御名そ忍穂耳なる あまてらす ひ めのいとし…

たのしからむ さびしからむ あねいもうとのかげをなみ

羽咋市吉崎町 湍津姫神社 湍津姫に奉る おろちすむ湖潟干して地掻く里に湍津の比売はひとり暮らしけり 392. おろちすむ うみがたほして ちがくさとに たけつのひめは ひとりくらしけり 大蛇棲む湖潟干して地掻く里に湍津の比売は一人暮らしけり お ろちすむ …

あめみまに目通り あめのひめ娶り

伊勢市 宇治浦田 猿田彦神社 猿田彦大神に奉る あさけふる伊勢の狭長田水清らうずめ子請じ猿田はもどりぬ 391. あさけふる いせのさながた みずけうら うずめこそうじ さるたはもどりぬ 朝明降る伊勢の狭長田水清ら宇受賣子請じ猿田は戻りぬ あさけふる いせ…

遠つ比売の彩をやどして杉ひとつ

香椎宮 綾杉 言祝く 直ぐな子の加護とこしえのしるべとそ色あざらけくたちぬ綾杉 390. すぐなこの かごとこしえの しるべとそ いろあざらけく たちぬあやすぎ 直ぐな子の加護常しえの標とそ色鮮らけく立ちぬ綾杉 すぐなこの か ごとこしえの し るべとそ い …

いさおし君とうつくし比売と 筑紫行幸に住吉の影

筑紫行宮 橿日宮 往古を偲ぶ 八重のなみ見延ぶる比売のいつく地はかしこきかたと八洲に潮染む 359. やえのなみ みのぶるひめの いつくちは かしこきかたと やしまにしおじむ または 八重のなみ見延ぶる比売の日繰る地はかしこきかたと八洲に潮染む 359-2. や…

遠つ后の香椎に住まうと養老七年

筑紫国 香椎廟 往古を偲ぶ 樫の実の一人落つれば便なきと夭后ぐしていを寝たまえり 388. かしのみの いちじんおつれば びんなきと ようごうぐして いをねたまえり 樫の実の一人落つれば便なきと夭后具して寝を寝たまえり かし のみの い ちじんおつれば び …

わたつみの髪結い初めし御島かも

筑前国 香椎宮 御島神社 息長帯比売を偲ぶ 浦は朱ぐれ頬そむる美し比売のかづらく髪はみづらにわかる 387. うらはあけ ぐれほおそむる いしひめの かづらくくしは みづらにわかる 浦は朱暮れ頬染むる美し比売の鬘く髪は美豆良に別かる う らはあけ ぐ れほお…

小碓の子 父祖に倣いて熊襲討たむと筑紫洲にたつ

筑前国 香椎宮 仲哀帝を悼む 住吉のかかる神慮としらずしていぶかる君ははかなくなられき 386. すみよしの かかるしんりょと しらずして いぶかるきみは はかなくなられき 住吉の懸かる神慮と知らずして訝る君は果無くなられき すみよしの か かるしんりょと…

馬に蹴らるるどちや絶えざる遠ちも此ちも

武蔵国総社 府中市 大國魂神社 大國魂大神に奉る ふくさなる地祇にまみゆる行き交いの馬見もたのしたまの宮なれ 385. ふくさなる ちぎにまみゆる ゆきかいの うまみもたのし たまのみやなれ ふくさなる地祇に見ゆる行き交いの馬見も楽し魂/多摩の宮なれ ふ …

葦原の醜男めでたや厄もたつ

出雲大社 大国主大神に奉る いづくにそ詣でざらむやおおやけにしろしめさるる天之御舎 384. いづくにそ もうでざらむや おおやけに しろしめさるる あめのみあらか いづくにそ詣でざらむやおおやけにしろしめさるる天之御舎 いづ くにそ も うでざらむや お…

しるべひかめく宵くらむ山の影

鹿児島本線 黒崎駅 駅前ペデストリアンデッキ 言祝く 綺羅の陽を逆方にかけし楼硝子 空中歩廊に蒼を差してき 383. きらのひを さかえにかけし ろうがらす くうちゅうほろうに あおをさしてき 綺羅の陽を逆方にかけし楼硝子 空中歩廊に蒼を差してき き らのひ…

帝国鉄道庁九州線 遠賀川-室木 明治四十一年七月一日開業

国鉄室木線 遠賀川-室木 昭和六十年四月一日廃止 偲ぶ わが居り処おんみ仮漆めくむかしいろ旧型客車や灯そあたたかき 382. わがおりが おんみにすめく むかしいろ きゅうがたきゃくしゃや ひそあたたかき わが居り処おんみ仮漆めくむかしいろ旧型客車や灯そ…

月おぼろ遠く菜の花うとましみ

筑豊電鉄 遠賀野電停 菜の花大橋あたり 言祝く 菜の花の惚気さかれば岸卉燃し墜つる夕珠そ六が岳さす 381. なのはなの のろけさかれば がんきもし おつるゆうじゅそ むつがたけさす 菜の花の惚気盛れば岸卉燃し墜つる夕珠そ六が岳差す なのはなの の ろけさ…

稲穂むらさきつ庄屋も見惚るるや

平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 岡森堰 近隣の美田を言祝く 水抜けば瑞禾くがねに斎いつつかすむ福智になびく秋され 380. みずぬけば ずいかくがねに いわいつつ かすむふくちに なびくあきされ 水抜けば瑞禾黄金に斎いつつ霞む福智に靡く秋され み ずぬけば ず…

豊前の水に関なす堰 設くは筑前上境

平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 岡森堰 言祝く 流れ来しも上境には堰たちずしやかにその水つ嵩のます 379. ながれこしも かみざかいには いせきたち ずしやかにその みつかさのます 流れ来しも上境には堰立ちずしやかにその水つ嵩の増す な がれこしも か みざ…

米の国は水の国 田枯れもいさかいも 水を尊み

平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 岡森堰 感田村庄屋 渡辺善吉を偲ぶ 祖つ田の水を乏しみ井手ひけど懸けし庄屋の情けな流しそ 378. おやつたの みずをともしみ いでひけど かけししょうやの なさけなながしそ 祖つ田の水を乏しみ井手引けど懸けし庄屋の情けな流し…

なかいずみ むかし炭積み いま髪摘み

平成筑豊鉄道 伊田線 中泉駅 言祝く 長夜ふる構え旧きに色さして瑞とめぐるや三色灯 377. ながよふる かまえふるきに いろさして ずいとめぐるや みついろあかり 長夜経る構え旧きに色差して瑞と廻るや三色灯 な がよふる か まえふるきに い ろさして ず い…

祈む水の西も東も下境

平成筑豊鉄道 伊田線 藤棚駅 境橋 言祝く 福智山は十里に水は掌にながめすがしと境橋は招く 376. ふくちやまは じゅうりにみずは たなごころに ながめすがしと さかいばしはおく 福智山は十里に水は掌に眺め清しと境橋は招く ふ くちやまは じ ゅうりにみず…

細い道に入って 新町第三公民館の前

平成筑豊鉄道 伊田線 南直方御殿口駅 御殿口地蔵 言祝く 皆に一味の雨そそぐ折あらん願をいだきて立つか地蔵御 375. みなにいち みのあめそそぐ おりあらん がんをいだきて たつかじぞうご 皆に一味の雨注ぐ折在らん願を抱きて立つか地蔵御 みな にい ち み…

国端の炭都をつなぐ複線路

平成筑豊鉄道 伊田線 直方-田川伊田 往時を偲ぶ のたのたりおがむ彦山川あおみ隊伍むすびて炭車は添うらし 374. のたのたり おがむひこさん がわあおみ たいごむすびて たんしゃはそうらし のたのたり拝む彦山川青み隊伍結びて炭車は添うらし の た のたり …

さすらうこと45億年 天よりくだりて1150年

直方 下境 須賀神社 直方隕石 世界最古の落下目撃事例 言祝く 天降りし貴子の座もどどめくか飛石疾墜 四海にさきがく 373. あめおりし うずみこのざも どどめくか ひせきしっつい しかいにさきがく 天降りし貴子の座も轟くか飛石疾墜 四海に先駆く あめおり …

煤めきてありうつし世もゆめの瀬も

直方 須崎町 開月館 在りし日を偲ぶ 煤けしもさかるおりしにキネマ美しみたびによらしむさすらい人しも 372. すすけしも さかるおりしに きねまいしみ たびによらしむ さすらいびとしも 煤気しも盛る折しにキネマ美しみ度/旅に寄らしむ流離人しも す すけし…

少女すこやかにはぐくむ毒と夢

直方 須崎町公園 芙美子碑 偲ぶ カチューシャの遊びて侘びし木賃宿越す夜も明けぬふみの道やも 371. かちゅーしゃの すさびてわびし きちんやど こすよもあけぬ ふみのみちやも カチューシャの遊びて侘びし木賃宿越す夜も明けぬ文の道やも かちゅーしゃの す…

日清貿易研究所 功も屍も紙一重の夢

直方 向野堅一記念館(鞍手郡新入村生まれ) 氏の芳友を悼む 清朝ににじむにき日の夕立ちて秀づ兄らは夜露に果てにき 370. しんちょうに にじむにきひの ゆうだちて ひいづあにらは よつゆにはてにき 清朝に滲む和日の夕立ちて秀づ兄らは夜露に果てにき しん…

三太立志伝の瑞兆は海軍払い下げ鉱にあり

直方 新町 直方歳時館(旧堀三太郎邸) 言祝く 地の子らの万福結びし瀟家こそ三太の放りける御徳なるらし 369. ちのこらの まんぷくむすびし しょうかこそ さんたのほりける ごとくなるらし 地の子らの万福結びし瀟家こそ三太の放りける御徳なるらし ち のこ…

偉丈夫の緑青づきて星凍てつ

直方 殿町 多賀町公園 貝島太助像 偲び言祝く 魁なりと聞く貝島の祖はひづち郷のわらべを見守りつつわす 368. かいなりと きくかいじまの そはひづち さとのわらべを みもりつつわす 魁なりと聞く貝島の祖は漬ち/泥打ち郷の童を見守りつつ座す かいなり と …

今は駅前 昔は道沿い 嵩つむ歴史そ名も語る

直方 ふるまち通り 古町商店街 言祝く 世はふれど降らざる路の丸なりの千尋の傘のふるびやはする 367. よはふれど ふらざるみちの まるなりの ちひろのかさの ふるびやはする 世は経れど降らざる路の丸なりの千尋の傘の旧びやはする よはふれど ふ らざるみ…

多賀つ神も見まくいざなう陸蒸気

直方 御館橋 往時の眺めを偲ぶ 出つ入りつしばし廻らす転車台高く見やるも遠ちの煙なれ 366. でついりつ しばしめぐらす てんしゃだい たかくみやるも おちのけむなれ 出つ入りつ暫し廻らす転車台高く見やるも遠ちの煙なれ でついりつ しば しめぐらす て ん…

おらが町の 廃るべきかは 元文元年

直方 長崎街道沿いの町(1736年より) 町年寄 庄野仁右衛門を偲ぶ のぼりくだり往来盛る街村にたぐる功徳の仁の字なるめり 365. のぼりくだり おうらいさかる がいそんに たぐるくどくの にのじなるめり 上り下り往来盛る街村に手繰る功徳の仁の字なるめり …